ここまでの結論
最大逆行幅を円ではなく%で見ると、1.0~1.25%付近がLC候補帯になる可能性がある。
ただし、現時点で「1%LCが最適」とは言えない。近年は1%以上逆行した後でも戻るケースが多く、直近2025/10~26/4では、1.0%逆行後に持ち続けることで平均損失が13.2%改善し、1.25%逆行後でも14.2%改善している。
つまり、逆行が深くなるほど勝率は低下するものの、勝率低下=その地点でLCした方が有利、ではない。
現段階では、0.5~0.75%では切るには早い可能性があり、大きな損失を止める効果と、その後の戻りを捨てる損失とのバランスが1.0~1.25%付近にあるのではないか、という仮説になる。
円幅ではなく%で逆行を見る
これまでは200円、400円、600円といった固定円幅で最大逆行を見てきた。
しかし、N225の価格水準が上昇すると、同じ200円でも相場全体に対する大きさは変わる。
そこで最大逆行幅を、
最大逆行率=(17:00始値-翌15:45までの安値)÷17:00始値
として%に置き換え、0.5%、0.75%、1.0%、1.25%、1.5%を基準に検証した。
逆行が深くなるほどプラス終了率は低下する
直近2025/10~26/4では、各逆行率に到達した後のプラス終了率は次の通りだった。
| 逆行率以上 | プラス終了率 |
|---|---|
| 0.5% | 37.5% |
| 0.75% | 29.9% |
| 1.0% | 24.2% |
| 1.25% | 16.1% |
| 1.5% | 12.5% |
逆行が深くなるほど、最終的にプラスまで戻る確率は明確に低下している。
ただし、ここで重要なのは、勝率と収益性は別という点である。
極端な例では、勝率が10%でも、勝ったときの利益が非常に大きく、負けたときの損失が小さければ、全体では利益になる。
したがって、「何%逆行すると勝率が悪くなるか」だけではLCの有効性は判断できない。
逆行後にどれだけ戻るのか
そこで、各逆行地点でLCした場合と、そのまま翌15:45まで持ち続けた場合を比較した。
ここでは、逆行時の損失に対して、その後どの程度損失が縮小したかを「回復率」として見る。
例えば0.5%逆行した時点で200円の含み損があり、その後23.2%回復した場合、
200円 × 76.8% = 約154円
となる。
つまり、
一時的に-200円 → 最終的に約-154円
まで損失が縮小したという意味になる。
直近2025/10~26/4では次の結果となった。
| 逆行率 | 持ち続けた場合の改善率 |
|---|---|
| 0.5% | +23.2% |
| 0.75% | +6.7% |
| 1.0% | +13.2% |
| 1.25% | +14.2% |
| 1.5% | +3.9% |
直近年度では、0.5~1.5%のすべてで、その逆行地点ですぐLCするより、翌15:45まで持ち続けた方が平均損益は改善していた。
特に注目したいのは、1.0%と1.25%まで逆行しても、その後の戻りがまだ残っている点である。
年次で見ると相場の性質が変化している
| 期間 | 0.5% | 0.75% | 1.0% | 1.25% | 1.5% |
|---|---|---|---|---|---|
| 2016/10~17/4 | +14.5% | -15.5% | -26.2% | -35.5% | -16.4% |
| 2017/10~18/4 | +9.1% | -2.2% | +1.7% | -1.5% | -10.8% |
| 2018/10~19/4 | -39.9% | -29.3% | -28.8% | -21.4% | -9.1% |
| 2019/10~20/4 | -2.3% | -44.8% | -27.3% | -16.0% | -7.0% |
| 2020/10~21/4 | -0.4% | -30.9% | -26.6% | -14.4% | -7.9% |
| 2021/10~22/4 | -30.4% | -25.8% | -17.3% | -18.8% | -11.6% |
| 2022/10~23/4 | +1.7% | +12.5% | +7.6% | +11.3% | +20.8% |
| 2023/10~24/4 | +5.6% | -9.1% | -9.8% | -6.2% | -12.2% |
| 2024/10~25/4 | +4.0% | +8.4% | +1.9% | +3.5% | +2.3% |
| 2025/10~26/4 | +23.2% | +6.7% | +13.2% | +14.2% | +3.9% |
2018~2021年頃は、逆行後に持ち続けるより、その地点でLCした方が有利なケースが多かった。
一方、2022年以降は戻りが強くなっている。特に2024/10~25/4と2025/10~26/4では、0.5~1.5%のすべてで回復率がプラスとなった。
つまり、近年は深めに逆行しても、そのまま一方向に損失が拡大するとは限らず、その後の戻りも無視できなくなっている。
現時点の仮説
今回の検証から、「1%逆行すると勝率が低いからLCする」という単純な考え方では不十分だと分かった。
0.5~0.75%は比較的浅い逆行で、その後の戻りを捨てる可能性がある。
一方、1.0~1.25%になるとプラス終了率はかなり低下するため、大きな損失を止めるというLC本来の効果も期待できる。
そのため現時点では、
1.0~1.25%付近が、利益をできるだけ残しながら大きな損失を抑えるLC候補帯ではないか
という仮説になる。
次の段階では、0.75%、1.0%、1.25%、1.5%のLCを実際に適用し、140取引日スライドで総損益と最大DDがどう変化するかを比較する。